​ベンチャー通信取材

2018.12

​YAMAMORI MAKOTO

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​ベンチャー通信とは

ベンチャー企業の経営者にスポットを当てた『ビジネス情報誌』である。著名な経営者だと、サイバーエージェント社の藤田社長、楽天の三木谷社長などの記事が紹介されている。

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​中小企業における

インサイトに響くマーケティング戦略

-01-

​飲食店の倒産率について

ー帝国データバンクの調査によれば、2017年に飲食店の倒産件数が過去最高を記録。中小飲食店は厳しい状況にあります。要因はなんでしょう。

代表取締役:単純にいうと過当競争なのではないでしょうか。あまりにも店舗が多すぎる。そのしわ寄せが安売りに繋がっているのではないでしょうか。大手チェーンとの価格競争に巻き込まれているということです。原材料を大量に仕入れられる大手は、容易に低価格にできます。中小の飲食店が対抗しようとすれば、過剰な薄利多売ビジネスに落ち入り、仕事量が増える。労働時間が長くなり、休日が減少する。ブラックな職場になってしまい、人材の定着が厳しくなり、サービスの低下という負のスパイラルにつながる。とてもシンプルな構造です。

ー八方ふさがりのように聞こえます...。そんな悪循環から抜け出す手だてはあるのでしょうか。

代表取締役:ええ、あります。価格だけではなく「質」での勝負にもちこむことです。大手チェーン店にはない独自の商品やサービスなどを訴

求して、その価値を理解してくれる特別な顧客層をターゲットにして戦っていくべきです。これまでは、経営者が現状の商品やサービスを維持することにこだわるあまり、自ら価格競争に突入していったきらいがあります。その思考から抜け出し、想像のつばさを広げてみれば、特別な顧客層に受け入れてもらえるサービスは必ず見つかるはず。カギは「自社になにが提供できるか」ではなく、顧客の行動や心理、つまりインサイトであり心のツボに訴えかける様な広告を考えること。そしてそのインサイトに響くように広告からサービスを訴求できるのが現代のマーケティングだと考えております。

ー中小飲食店はマーケティングに注力するべきだと。しかし、宣伝や販促の分野こそ、大手が圧倒的に優位なのではありませんか。

代表取締役:いいえ。身近なところでいえば、SNSや動画、WEBSITE制作ツールが登場したことによって、費用対効果の高いマーケティングを展開できる時代が到来しております。いまや、マーケティングの優劣に

企業規模の大小は関係ありません。中小飲食店であっても、大きな予算をかけずにマーケティングを展開し、集客を伸ばすことができるのです。現代の技術革新は、中小規模の飲食店にとって救世主の様な存在であり、アイデアやクリエイティブな分野でしたら大手企業にも引けをとらない会社があってもいいのではなでしょうか。
 これは机上の空論ではありません。私たち自身がさまざまな事業でマーケティング施策を行い、成果を出しているのです。

―どんな施策ですか。詳しく教えてください。

代表取締役:私たちが運営する海鮮丼店で、送料別途1500円という、一見、安いとは感じられない価格帯の海鮮丼デリバリーサービスを開始し、それを動画でPRしました。この動画広告は、最後の10秒あたりでようやく「海鮮丼のデリバリーの宣伝だったのか」と気づいてもらう構成になっています。現代の人々は、広告を受動的に眺めることはしません。興味がなければ、広告を途中で消すことが可能になっているからです。冒頭から宣伝ポイントをうたって

しまう様な内容では、最後まで広告を見てもらえないのです。

最初の5秒を見てもらえたら、次の5秒を見てもらえる、そんな感覚で制作しなければ、広告としての機能は果たさない。海鮮丼デリバリーサービスの広告動画では、まるで近未来が舞台の大作映画の予告編のような映像が流れ、最後まで顧客をあきさせないつくりになっています。顧客の行動・心理を読み取り、どこで商品やサービスのPRを行なうかを十分に検討したうえで制作しているのです。

 この動画広告は制作・配信コストは数万円程度。1万回以上再生され、10万インプレッションを獲得して、多くのコンバージョンを得られました。仕事の醍醐味とも言える瞬間なのではないでしょうか。

 ここで一つお話させていただきたいのが、マーケティングの一環である広告ディレクションを社内や外部企業様と話しているときにこんな経験がありました。物を売るためならなんでも有りかの様な思考に行ってしまうという事です。

そもそもマーケティングについての私たちの理解は「顧客が求めるサービスを情報として伝え、正しい価格で購入してもらう」と考えております。決して粗悪品をなんとか売ってしまおうなどという考えでもなく、高く顧客に売りつけるという事でもありません。あくまで「正しい価値で提供する」という事に意味があるのです。

 この背景には、先ほども申し上げた価格競争や労務環境の問題にまで繋がっていくと考えております

-02-

​動画広告の魅力について

―飲食業界のマーケティングといえば、『食べログ』や『ぐるなび』といったポータルサイトへの掲載が主流です。

 ええ。でも、月数万円のコストがかかるうえに、自分たちでコンテンツの内容をコントロールしにくい。一方、他社に頼らずWebサイトを自社で作成したり、自社制作のPR動画をSNSへ配信するといったマーケティング施策を自分たちで行えば費用対効果は高い。それに、ITリテラシーが身につき、さらに次の一手を打ち出すこともできるようになるでし

ょう。もちろんポータルサイトを否定している訳では決してなく、ポータルサイトはユーザーにとっては便利なツールであるのは間違いないところですが、そこにに頼り上位掲載費がかさみ運営に悪影響を与えてしまうのであれば、脱却すべきだという事です。

-03-

​飲食店にITリテラシーを

―確かに、そうですね。ただ、まさに「ITリテラシーを身につけなければいけない」ことに、二の足を踏む飲食店経営者も多いと思います。

 はい。そこで私たちは、「IT初心者」といえるような経営者の方でも、マーケティング施策を実行できるようになる研修サービスを提供。中小飲食店のマーケティングを支援する「Re」事業を2018年に立ち上げました。
 これまでにも飲食店のマーケティングを支援するツールやサービスはたくさんありました。でも、それは「IT屋さん」の開発したツールであったり、「マーケティング屋さん」が提供するサービスであったり。リアルな手ごたえを重視する飲食店のあり方と、ズレてしまっていること

が多かった。だから、これだけテクノロジーが進化し、低コストでマーケティングできるようになったにもかかわらず、中小飲食店には普及しなかったのだと思います。

―「Re」事業によるマーケティング支援は、飲食店を運営するなかで生まれたサービスであるところが、既存のツールやサービスと違うわけですね。

 その通りです。私たち自身が飲食店を運営し、多忙な現場のなかで施策を実行してきました。だから時間的にも予算的にも現実的なものになっています。私たちも以前は、何が正しいマーケティングツールであるのかという理解が得られませんでした。

 一つの要因としてはSEO対策の理解度の高い企業さんが作った情報が、上位に検索されてしまい、最善の対策であるかの様に表現されてしまう事だとも考えております。ユーザーは検索力という物をみにつける

事も必要であり、WEB上の上位にある情報が全て正しい訳ではないという事も理解しておくべきでしょう。

 

更にIT企業、マーケティングを行う企業さんは、正しい情報を提供する事が必要だとも考えております。時代によりグーグルの検索アルゴリズムも変わっていく中で、WEB上の情報だけで物事を判断するのは非常にリスクが大きいのではないかと考えられます。

 私たちは、幸運な事に信頼できるIT企業様とネットワークを作らせていただいている事により、業界の最新の情報が入ってきておりますが、情報を発信する側も誠実な価格帯と正しい情報を発信する事が求めれてきていると考えております。

-04-

Re1DAY研修の魅力

―Reはどんな支援を提供しているのでしょう。

 「Re1DAY研修」といって、中小飲食店の経営者もしくはマーケティング担当者を対象に、1日かけて集合研修を実施しています。そこで

は、まずは自分のお店の強みを見つめなおしてもらいます。そのうえで、強みをPRするためのウェブサイトディレクションとサイト制作の実習、プロカメラマンとともに料理を撮影する実習、そしてブランディングの考え方や顧客のインサイトに響くように心のツボを押す広告の考え方、最適な広告配信方法などを伝えています。

 研修前はご自身のお店の強みに気づいていない経営者の方の場合、私を含め当社のメンバーが務める研修講師とのディスカッションのなかで、強みに気づいてもらいます。万が一、「いくら見つめなおしてみても強みが見つからない」のであればイチからつくるべき。あるなら気づくべき。それぐらい「強み」は重要なものであり、そのお手伝いをさせていただいております。

 

 強みがないという事は決してないはずですが、強みを見つかった後のPR方法は現代マーケティングでは最も重要だと考えております。

先に触れた、インサイトの話をもう少し詳しくお話しすると、USP(強み)を前面にうたうと顧客は見てもくれないという事なのですが、強みの表現方法というのは実に多くの方法があります。

-05-

​今後は動画制作事業へ

ー具体的にどの様な方法ですか?

代表取締役:是非、研修にきてくださいね(笑)

編集長:・・・(笑)

代表取締役:まぁ、少し踏み込むと、全体の演出、映像編集、商品をだすタイミング、コピーライティング、ブランドの理解など、まずは多くの広告を見る事が重要です。SNSでもみなさん表現が違っており、有益な情報はあらゆる所から得られる事ができますよ。10年前に引退はしましたが、電通の役員であった私の叔父から多くのお話を聞かせていただいていたのも幸運だたったと思います。あと、有名な『鬼十則』は、表面だけの言葉だけでなく深いところまで読み取れば非常に興味深いと思いましたね(笑)

 

―「Re」事業の支援を受けてマーケティング力を強化した飲食店が、手ごわい競合相手になり、自分の首を絞めることになりませんか。

 私たちはそんな競合店を、むしろ積極的に育てていきたいと考えています。マーケティングとは正しい価値を提供する手段であり、切磋琢磨して業界全体を発展させられるひとつの方法だからです。

 更に、私達が多くの情報をお伝えしている理由はもう一つあり、今後動画制作事業に参入する事を決めております。でもまずは、動画を掲載するウェブサイトを持っている事などが第一フェーズとしてやるべき事があると考えております。

今後は、飲食だけではなく、ほかの業界の発展にもつなげていきたい。というのも、さまざまな業界の企業から、マーケティング支援の依頼を受けるようになっているからです。それに対応するため、「Reクリエティブマーケティング」という新たなサービスも開始しました。安売りで

はなく「正しい価値を生み出して、それを伝えていく」というのは業界を問わず、スモールビジネス全般に共通する「新しい必勝戦略」だと思います。「そんなことができる」ということを飲食業の方や他業種の中小企業の経営者の方に伝えていくのが、私たちのサービスの本質。そして、そのような「正しい価値」の提供がひとつのムーブメントになれば、世の中にセンセーショナルなインパクトを与えていけると確信しています。

 

撮影日:2018.12

撮影場所:汐留某ホテル1Fレストラン

Re:4名(代表取締役/CMO/仕入れ統括/カメラマン)

ベンチャー通信:5名(編集長/中小企業診断士/カメラマン/その他2名)

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